2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16740020
|
Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
澤邉 正人 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助手 (60346624)
|
Keywords | 部分群複体 / 被約レフシェッツ加群 / 被約オイラー標数 / 根基部分群 |
Research Abstract |
今年度も昨年度に引き続き有限群の部分群複体に関する表現論的性質の研究を行った。まず有限群Gの部分群複体の中で最も基本的なものの1つにGの非自明なp-部分群全体からなる複体Spがある。あるいはSpとホモトピー同値である複体Bpがある。ここでBpはGのp-根基部分群全体からなる複体である。一方Bpをさらにp-中心的なもので制限した部分複体Bp(cen)はBbやSpとホモトピー同値ではないが、元の群Gに対して良い幾何を提供している事実(現象論)がある。そこでBpとBp(cen)との間にある数学的な差は何か?と言うことがこの研究の出発点である。この研究課題を追求していくための1つの方向はBpとBp(cen)との違いが顕著に現われる位相的な量に着目しそれを研究することである。その量の1つにオイラー標数がある。まず一般にBpの被約レフシェッツ加群L(Bp)は一般化されたスタインバーグ加群として知られておりそれは仮想射影になっている。そこで昨年度の研究ではBp(cen)の被約レフシェッツ加群L(Bp(cen))の構造を追求しそれがX-仮想射影であることを突き止めた。ここでXは非中心的P-根基部分群から派生してくるp-部分群の族である。今年度の研究ではこの結果をさらに拡張することに成功した。つまりVをL(Bp(cen))の直既約因子の頂点であるとするとその位数は非中心的p-根基部分群の中の最大位数|U|を決して超えないと言うものである。この系としてBp(cen)の被約オイラー標数ch(Bp(cen))のp-部分は|P|/|U|の約数であることが分かる。特に散在型単純群、例えばモンスター単純群に対するch(B2(cen))の2-部分はまさに|P|/|U|と一致していることから、即ち今回の結果はch(Bp(cen))のp-部分に対する最良の下限を与えたと言うことになる。
|