2005 Fiscal Year Annual Research Report
独立集合族に付随するTDI不等式に対する構造定理の構築を目指して
Project/Area Number |
16740045
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
佐久間 雅 山形大学, 地域教育文化学部, 助教授 (60323458)
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Keywords | ideal-ness / MFMC-ness / perfect-ness / packing-property / Cornuejoulsの予想 / 禁止のマイナー / blocking polyhedra / odd-hole inequality |
Research Abstract |
「線形不等式系のTDI-nessを多項式時間で判定できるか、その判定アルゴリズムを組合せ論的に構成できるか?」というテーマは、未だ本質的な解明に至っていないという意味で、非常に深い未解決問題であると考えられています。本研究では、こうした様な組合せ構造のプリンシプルの一つの候補となるべき予想を提案し、この予想の一般的な枠組みでの解決を念頭におきながら、幾つかのBlocking-Typeの具体的な未解決問題についての研究に着手し、更にその先のステップとして、各々のTDIのクラスを統合してゆくプロセスを通じて、予想の解決への足掛かりを与えていきたいと考えています。 有向マトロイドのpositive cocircuitの成すclutterの族は、有向グラフのdirected cutのclutterやdirected cycleのclutterなどを真の部分クラスとして含む重要なclassとして認識されています。Directed cutの成すclutterは、歴史的に見ても、そのideal-ness、MFMC-nessが示された重要なクラスのひとつとして知られており、そのblockerであるdirected joinの成すclutterも必然的にideal-nessを満たすことが知られています。また近年Gueninによってdirected cycleの成すclutterの特殊なsubclassについて、同様の結果が与えられました。私は柏原賢司氏との共同研究においてrankが4以下の有向マトロイドのpositive cocircuitの成すclutterがideal-nessを持つための必要十分条件と、Packing Propertyを持つための必要十分条件を、すでに得られていた予備的な結果を再検討して証明の誤りを修正することにより、明らかにしました。特に前者のideal-nessについての結果は、必然的にこの枠内におけるdirected joinの成すclutterのideal-nessを証明するものとなり、意義は大きいものと考えます。 同時に、「与えられたグラフの持つ、弦のない奇数点サイクルとその補グラフ達をそれぞれhyperedgeとするclutter」のideal-ness,MFMC-nessについても、昨年に引き続き研究を進めています。
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