2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16740049
|
Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
小杉 のぶ子 東京海洋大学, 海洋工学部, 助教授 (20302995)
|
Keywords | ガウス過程 / 局所時間 |
Research Abstract |
ガウス過程の局所時間の漸近挙動に関する研究を進めていくにあたり、ガウス過程の局所時間がどのような条件のもとで存在するのかについて研究を進めた。前年度に、イギリスのシェフィールド大学教授のN.H.Binghamのもとを訪問し、その際に紹介してもらった他の関連する研究を参考にしながら、今までに知られている存在条件を拡張する方向で研究を進めているが、現在のところ、まだ詳細な証明が完成しておらず、論文を準備中である。今年度は、局所時間をフーリエ変換を用いて表現する方法により、新しい結果を導けないか考察を行っている。 上記の他に現在取り組んでいるのは、以前に私が論文で扱ったfractional Brownian motionのnon-criticalな場合を含む、あるクラスのガウス過程に対する関数型極限定理を拡張した形の結果である。ある特定のクラスのガウス過程の滞在時間の関数型極限は、そのガウス過程が局所時間を持つか否かに関わらず、その極限過程は、fractional Brownian motionの局所時間に収束する。これをさらに拡張した形の極限定理について研究をしているが、この分野に関する見地を広げるために、極限定理関連の研究集会にも出席し、他の研究者との研究連絡も行った。 ガウス過程に関する漸近挙動の研究においては、共分散行列の行列式の評価は重要な役割を果たす。以前に行った研究で、共分散行列の行列式のlog平均が、fractional Brownian motionの指数に依存した定数に確率収束していることまでは示せたが、この結果について、条件をさらに緩めた形で評価できるかどうかについても研究を進めている。
|