2004 Fiscal Year Annual Research Report
亀裂成長現象に対する高精度数値シミュレーションと新しい数理モデルの提案
Project/Area Number |
16740051
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
若野 功 京都大学, 情報学研究科, 講師 (00263509)
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Keywords | 線型破壊力学 / 応力拡大係数 / 曲線亀裂 / 亀裂進展現象 |
Research Abstract |
本年度は線型破壊力学における亀裂進展問題に関して,数値シミュレーションの準備として,とくに理論的な研究を行った. 1)二次元曲線亀裂進展問題に関して,申請者による過去の研究成果をいくらか一般化した.発表済の結果は全二次元平面内に単一の曲線亀裂が存在する場合の解析であるが,この結果を二次元の有界領域内に亀裂が存在する場合に拡張した.この結果では,亀裂は有限個であれば,複数存在することも許容され,また,亀裂の形状も過去の研究結果より一般化されている.亀裂形状に関しては,亀裂先端の近傍において亀裂が局所的に滑かな関数のグラフとして表現されれば,解の特異性を確定することができることが確認された. すなわち,一つの亀裂が単一のJordan曲線で記述されない場合(例えば,枝分れ亀裂)においても解の特異性を定めることができ,応力拡大係数を数学的に定めることができる,この結果は英文論文誌に投稿するため準備中である。 2)三次元問題を視野に入れ,三次元問題を二次元化する際に現れる変数係数方程式の解析の準備として,ごく単純な方程式であるが,変数係数方程式の解の亀裂先端での特異性の解析を行った.その結果,技術的に困難ないくつかの部分を除いて,二次元変数係数方程式系の場合にも,二次元定数係数方程式系と同様の方法で,解の特異性の構造を調べることができることが確認された.この課題は,申請者の所属する講座の博士後期課程の大学院生,大久保君との共同研究であり,境界要素法論文集に発表した.
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