2005 Fiscal Year Annual Research Report
亀裂成長現象に対する高精度数値シミュレーションと新しい数理モデルの提案
Project/Area Number |
16740051
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
若野 功 京都大学, 情報学研究科, 講師 (00263509)
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Keywords | 破壊力学 / 数値解析 / 亀裂伸展 / 応用解析学 / 数理モデル |
Research Abstract |
準静的条件下での亀裂伸展現象の数理解析を中心に、今年度は研究を行った。静的な問題では、弾性体方程式の解の積分表示が亀裂の解析において重要となるが、本研究では亀裂の伸展を考慮するため、いわゆる弾性方程式から出発する立場をとらず、新しい非線型偏微分方程式による数理モデルを考察対象としている。また亀裂伸展現象の数値シミュレーションは、移動境界問題の特異ケースと捉えられるのではないかとの立場に立ち、新しいアルゴリズムの開発も検討した。モデル論的立場では、A.Friedmanの提案するモデルの検討を行い、このモデルの力学的な不自然さを指摘しその修正モデルの提案に向けての研究を継続中である。一方、移動境界の数値シミュレーション面では、immersed interface法(Peskinの提案するimmersed boundary法の拡張版)に焦点をあて、その研究と本課題への適用を図った。現時点では、immersed interface法のcavity伸展のシミュレーションへの適用には有効性は大いに期待できるが、特異性の高い亀裂の伸展には更なる工夫が必要と考えられる。
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