2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16740057
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山崎 武 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30336812)
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Keywords | 逆数学 / 二階算術 / 計算量理論 / 帰納的関数論 / オメガ-モデル |
Research Abstract |
本年度はめぼしい結果が得られなかった.以下では現在の問題点3点と今後の展開の予想をのべる. 本年度実施計画の第一に挙げたBTFAと[0,1]上の実数値連続関数リーマン積分可能性についての問題点は次の2つである. 1.積分可能性と示すには,1階の部分がBTFAより強くなければならないと予想でき,provably total functionとして多項式時間計算可能より大きな計算量クラスを特徴づける体系が必要と思われる.しかし,そのような手頃な体系がわからない. 2.連続関数の定義に,Koの多項式時間計算可能性関数にあわせて,折れ線による近似を用いているが,体系の2階部分の強さを調べるには適切ではないと思われる. 次に,計算可能性にかかわる数学的現象について新しい知見により得られた問題点をあげる. 3.有限ラムゼイ性といくつかの計算量クラスに関係があることがわかった.しかしそれらを利用して,どれくらいの強さをもつかをBTFA上で議論を展開するためには,適切なコード化などに問題が見つかった. 今後の展開としてとりあえず次の2つを考えている. 1.具体的な連続関数の積分可能性を通して,どれくらいの計算量クラスを対応させることができるかを調査する. 2.近年,ラムゼイ性やランダム性に関する帰納的関数論による結果が多く知られるようになった.それらを利用して,カントール空間上のeffectiveな閉集合に関する性質を利用して,2階算術の比較的弱い部分体系のオメガ-モデルの構造を調べる.
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