2005 Fiscal Year Annual Research Report
自由境界問題と放物型偏微分方程式に現れる特異性の研究-その数値的再現と応用
Project/Area Number |
16740061
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
牛島 健夫 東京理科大学, 理工学部, 講師 (30339113)
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Keywords | 自由境界問題 / クリスタライン曲率 / ガウス曲率流 / クリスタライン・アルゴリズム / Hele-Shaw問題 |
Research Abstract |
本年度に行った研究は以下の2点である。 1.3次元クリスタライン・アルゴリズムの研究(柳下浩紀氏との共同) 昨年度に引き続き,クリスタライン・アルゴリズムを用いて,3次元のGauss曲率流による凸曲面の運動を近似する研究を行った.クリスタライン・アルゴリズムは空間2次元の様々な曲率流を近似する問題に対して,非常に有効であることが知られていたが,空間3次元の問題に対しては成功例が知られていなかった.これに対して我々は,昨年度までに,3次元のGauss曲率流がクリスタライン・アルゴリズムによって近似できることを示した。 昨年度までに得られた収束定理に基づき,数値計算アルゴリズムを作り,それを用いた数値実験を行った. また,単純なGauss曲率流のみでなく,法線方向速度が,Gauss曲率の冪に比例するという発展法則に従う問題に対しても,クリスタライン・アルゴリズムによる近似が行えることを示した. さらに,これらの成果をJJIAM誌に発表するとともに,幾つかの国際学会・研究集会で報告した. 2.Hele-Shawセル中を浮上する泡の挙動の研究(矢崎成俊・川口正美両氏との共同) 昨年度に引き続き,縦置きしたHele-Shawセル中を浮上する泡の挙動に関する研究を行った.この研究は,三重大川口研で精力的に行われている実験に対して,数理の立場からのアプローチを行おうというものである.同実験によれば,縦置きしたHele-Shawセル中にセル下端から泡を注入すると,その泡の浮上にともなう挙動が,泡のサイズによって変化する様子が観察される.我々は,昨年度に引き続き,問題の自由境界問題としての定式化・モデル化に基づいた数値実験等を行い,その成果を数理解析研究所講究録などに発表した.
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