2004 Fiscal Year Annual Research Report
フェーズフィールドモデルによる3次元相変化パターンの解析
Project/Area Number |
16740066
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
阪井 一繁 龍谷大学, 理工学部, 助手 (00288664)
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Keywords | フェーズフィールドモデル / 相変化現象 / パターン形成 |
Research Abstract |
平成16年度の研究成果の概要は以下の通りである。 1.相変化現象に伴う典型的なパターンである共晶(共析)組織の形成に対し、安定相への状態変化の速度と相分離速度のバランスを可変にし、数値計算を行った。2次元の計算機シミュレーションにおいては、相分離速度を相対的に小さくすると、共晶(共析)組織は同心円状のパターンから層状のパターンに変化することを確認した。また、プログラムコードを3次元化し、表面拡散、バルクの拡散および相分離速度を比較しながら相変化現象(2成分系)の計算機シミュレーションができる環境を構築した。 2.上記の共晶(共析)組織形成に対する計算機シミュレーションにおいて、相変化現象の離散モデルであるセルダイナミクスシステムの手法を応用して計算スキームを開発し、従来の数値計算手法の結果とパターンの周波数特性評価などの観点から比較した。この結果、本研究における計算手法は十分利用可能であることが確認され、2次元で100×100メッシュ程度の計算サイズであれば、汎用のノートパソコン程度でもリアルタイムの計算機シミュレーションが行えるようになった。 3.フェーズフィールドモデルを導出する際の基礎となる自由エネルギー汎関数に現れる界面張力項に異方性の効果を付与し、相界面が平坦なファセットを形成するように既存の数理モデルを拡張した。 4.異方性を付与した上記の相変化モデルと組み合わせる目的で、3相が関与する相変化モデルに潜熱の発生と界面での光エネルギーの吸収効果を取り入れた数理モデルを開発した。これは、合金系と並んで相変化現象の数理モデルの重要な対象である水と氷によるある種のパターン形成を記述する数理モデルである。併せて、2次元および3次元の計算機シミュレーションを行う準備が整った。
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