2004 Fiscal Year Annual Research Report
ウェーブレット変換の関数空間,偏微分方程式への応用
Project/Area Number |
16740076
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
森藤 紳哉 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (30273832)
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Keywords | 函数空間 / ウェーブレット空間 / F.B.I.空間 / 超局所化 / 作用素解析 / 補間的空間論 / 重み函数 / フーリエ解析 |
Research Abstract |
本年度の研究目的に述べたことのうち,「フーリエ解析的に定義される函数空間(Besov-Triebel-Lizorkin空間)の枠内でF.B.I.変換の理論を展開すること」に関しては,その離散版にmoleculeなる函数を考えられることに示唆されて,従来のmoleculeに関する数学的展開(重み付き函数空間論も視野に入れて)の再考・比較検討を行った。こうした流れの中で,研究目的に述べた「フーリエ変換,ウェーブレット変換,F.B.I.変換を用いた作用素解析の基礎固め」が達成され,次年度以降への期待も大きくなっているところである。ただ,「ウェーブレット変換に対応するCalderon-Toeplitz作用素についての考察」はこれからの課題である。補間空間論では,再配列函数の計算に重み函数を考察の対象に組みこんで,Holderの不等式などの基本的な不等式を用いるだけで,部分的にではあるが,重み付きLorentz空間の補間定理が得られたのは幸いであった。Orlicz空間の研究へつなげていきたい。さらに本年度の研究実施計画にも述べた「イェーナ(ドイツ)の数学者H.Triebelとの交流」も実現した。そこの函数空間論セミナーではRodon変換も考察の対象に組みこんだ「函数の超局所化」について講演することもできた。ある特定方向に直交する超平面上のデータだけを必要とするという意味での局所化の考え方である。はじめに述べたこととも関係のある函数空間の2-microlocal版への新たな視点ももたらされた。(約600字)
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