2004 Fiscal Year Annual Research Report
主要部が非線形微分作用素である高階非線形常微分方程式の解の構造の研究
Project/Area Number |
16740084
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Research Institution | Toyama National College of Technology |
Principal Investigator |
谷川 智幸 富山工業高等専門学校, 一般科目, 助教授 (10332008)
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Keywords | 非線形微分方程式 / 振動理論 / 振動解 / 非振動解 / 解の漸近挙動 |
Research Abstract |
本研究の目的は,非線形Sturm-Liouville微分作用素が主要部である高階の常微分方程式の解の振動性と漸近挙動の精密な解析を行い,それを拠り所にして解の全体構造を解明することである. 本年度は,高階の非線形常微分方程式に対して,"非振動解の無限遠における漸近行動の精密な分析"と"全ての解が振動あるいは非振動である状況の特徴づけ"などを重点課題として研究を行った. [研究実施の具体的な内容] (1)微分方程式の解の性質を調べる研究に対しては,有効な数学的手段・技法の効果的な適用が一義的に重要である.そこで,文献の収集やインターネット(MathSciNet等)の活用を通して必要な情報を蓄積して,それを的確に総括,整理し,問題の解決に有効な方法や技法(解析的,位相的,幾何学的)網羅する作業を行い,自らの手で新たな方法論を開発し計算を実行した.さらに,無限区間における(振動性と無限遠における漸近行動)を推測するために,計算ソフトMapleを活用した. (2)研究経過を定期的に振動理論の世界的権威である草野尚教授(広島大学名誉教授,福岡大学)に報告して批判と助言を求めた. (3)振動理論の第一人者であるスロバキアのコメニウス大学のJaroslav Jaros教授に来日して頂き,高階微分方程式の振動性について討論,情報交換を行った, [研究成果] (1)高階のSturm-Liouville微分作用素を含む非線形微分方程式の非振動解を無限遠点における漸近挙動に従って分類し,その分類された各々のタイプの解が存在するための条件を求めた. (2)4階非線形Sturm-Liouville常微分方程式の主要部である微分作用素の係数に,ある積分収束条件を課し,非振動解の存在について述べ,さらに全ての解が振動するための十分条件を求めた.
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Research Products
(2 results)