2005 Fiscal Year Annual Research Report
主要部が非線形微分作用素である高階非線形常微分方程式の解の構造の研究
Project/Area Number |
16740084
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
谷川 智幸 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (10332008)
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Keywords | 非線形微分方程式 / 振動理論 / 振動性 / 解の漸近挙動 / 定性的理論 |
Research Abstract |
本研究の目的は,非線形Sturm-Liouville微分作用素が主要部である高階の常微分方程式の解の振動性と漸近挙動の精密な解析を行い,それを拠り所にして解の全体構造を解明することである. 昨年度は,高階非線形微分方程式への橋頭堡となる4階非線形微分方程式の解の全体構造の研究を行い,本年度は高階非線形微分方程式の内で最も単純な偶数階非線形微分方程式に対して,"非振動解の無限遠における漸近挙動の精密な分析"と"全ての解が振動あるいは非振動である状況の特徴付け"などを重点課題として研究を行った. [研究実施の具体的な内容] 1 振動理論の発展史の総括.考究の対象となっている微分方程式の種類,それらに対して得られている結果,結果を導出するために利用されている数学的方法・手段・技術を分類し,可能な限り体系的にまとめる作業を行った.情報の収集にはインターネット(Math.Sci.Net.,Zentralblatt MATH等)と他大学の図書館を利用した. 2 研究成果報告.研究経過を定期的に振動理論の世界的権威で世界の情報を握っている草野尚教授(広島大学名誉教授,福岡大学)に報告して批判と助言を求めた. 3 国内外における研究成果発表.平成17年7,8月にスロバキアのコメニウス大学で開催された「EQUADIFF 11 International Conference on Differential Equation」及びアメリカ合衆国のフロリダ工科大学で開催された「Conference on Differential & Difference Equations and Applications」において本研究の萌芽部分について講演を行った. [研究成果] 1 4階非線形微分方程式の主要部である微分作用素の係数に,ある積分収束条件を課し,全ての解が振動するための必要十分条件を求めた. 2 1970年セルビアのKaramataによって創始されたKaramata関数(正則変動関数)をさらに一般化したKaramata関数の枠組みの中で,2階非線形微分方程式の非振動解の漸近行動を分析した. 3 ずれの変数を含む偶数階非線形微分方程式の振動性,非振動性を比較原理を用いて分析した.
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Research Products
(3 results)