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2006 Fiscal Year Annual Research Report

材料工学にあらわれる非線形問題の数学的な解析

Research Project

Project/Area Number 16740087
Research InstitutionMuroran Institute of Technology

Principal Investigator

高坂 良史  室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (00360967)

Keywords平均曲率流方程式 / 粒界 / 逆位相境界 / 定常曲線 / 非線形安定性
Research Abstract

平面上の有界領域内で2相を隔てる相境界を表す曲線の運動が幾何学的時間発展方程式の1つである平均曲率流方程式によって記述される数学モデルについて解析を行った。
平均曲率流方程式は、1956年にMullinsによって、粒界の運動方程式として紹介された。また、1979年にはAllenとCahnによって、2元合金の規則相に現れる逆位相境界の運動を記述する界面の運動方程式として平均曲率流方程式が紹介され、そこではGinzburg-Landau型の方程式と平均曲率流方程式との関連性が述べられている。さらに近年では、数理生態学における競争拡散系モデルやBZ反応等の化学反応を記述する反応拡散方程式の特異極限として、平均曲率流方程式が導出されることが知られている。
本年度は、平面上の有界領域内の3重結節点をもつ3相境界運動が平均曲率流方程式によって記述される場合について研究し、この数学モデルの定常曲線(3重結節点をもつ3線分)の非線形安定性の解析を行った。より具体的には、定常曲線の線形安定性の判定基準に用いたエネルギーの第2変分の解析と、幾何学的な考察から得られる曲率に関する方程式に対してエネルギー法的な手法を適用することで、定常曲線の非線形安定性に関する結果を得た。つまり、初期曲線が線形安定(定常曲線の周りでの線形化問題に対応する固有値問題の固有値がすべて負)な定常曲線にエネルギー的視点からみて近い場合に、その初期曲線を出発点とする平均曲率流方程式の解曲線が、この定常曲線に時間発展とともに漸近的に近づいていくことを数学的に解析した。今回適用した手法は、3重結節点をもつ3相境界運動が表面拡散流方程式によって記述される数学モデルの解析にも適用可能であると考えられるので、今後は表面拡散流方程式のモデルに関しても解析を進めていく予定である。

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Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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