2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16740091
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
竹縄 知之 東京海洋大学, 海洋工学部, 助教授 (70361805)
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Keywords | 可積分力学系 / 高次元 / ワイル群 / 楕円曲線 / パンルヴェ方程式 |
Research Abstract |
本年度は第一にアファインワイル群対称性を持つ高次元力学系の可積分性について研究した.具体的には,複素射影空間内のm点でブローアップした空間の族の対称性は,一般には不定型のワイル群になることが知られていたが,その部分群としてアファインワイル群が働くことを見出した.アファインワイル群の平行移動から定まるn次元非自励的力学系に対して,系としての複雑さを表す代数的エントロピーが0であることを示し,保存量について調べた.その際,2次元の場合と異なり,力学系は同型写像には持ち上がらないので,余次元2以上の部分を無視しても良いように,2次元の場合の理論を書き直した.また上記の力学系が離散パンルヴェ方程式の一般化になっていることを示した.以上の結果を論文としてまとめ,Integrability of n-dimensional dynamical systems of type E_8^(1) and E_7^(1)というタイトルでLetters in Mathematical Physics誌に投稿中である. 次に東京大学の江口光昭氏と共同で,ブローアップされる点がn次元複素射影空間内の楕円曲線上にある場合について,反標準因子の線形同値類が有効であるという予想を得た.またワイル群作用とアーベル積分との関係を調べ,楕円曲線上の点に対するワイル群の作用が線形変換として書けることを示した.これについては現在投稿準備中である. これらの研究には膨大な代数計算が必要なため,数式処理ソフトを用いた.
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