2004 Fiscal Year Annual Research Report
可積分系の視点に基づく非整数階微分・差分方程式の研究
Project/Area Number |
16740092
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
永井 敦 日本大学, 生産工学部, 講師 (90304039)
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Keywords | 非整数階微分 / ミッタークレフラー関数 / ピューズー展開法 / グリーン関数 / 再生核 / ソボレフ不等式 / 境界値問題 |
Research Abstract |
本研究では工学に登場する非整数階微分方程式の解を求めるとともに、解の性質を利用した微分方程式の詳細な性質究明およびその差分化を行った。また高階微分方程式の境界値問題のグリーン関数についてソボレフ不等式の最良定数計算への応用を中心に調べた。得られた結果は以下の通りである。 1.流体力学に登場する非整数階微分方程式であるチェン方程式やトルヴィク・バグレイ方程弌の初期値問題を設定し、ピューズー展開法を用いてミッタークレフラー関数解を求めた。またこれらの初期値問題は、ミッタークレフラー関数の漸近挙動を用いることにより、(非整数階微分を含まない)2階および4階常微分方程式の境界値問題で近似されることを証明した。本研究結果は2004年6月ヘルシンキで開催された国際会議"Symmetries and Integrability of Difference Equations"および2005年2月東京で開催されたCOE国際会議"Integrable Systems and their real world applications"において発表した。 2.弾性理論に登場する4階常微分方程式の境界値問題のグリーン関数の区間長依存性を調べた。その結果、4階特有の興味深い現象が現れることを発見、解析的に証明した。同時に2M階常微分方程式のグリーン関数があるヒルベルト空間の再生核であることを証明し、この結果をソボレフ不等式の最良定数計算に応用した。これらの研究結果は2004年9月に北海道大学で行われた数学会において発表した。またグリーン関数の区間長依存性についてはJapan J. Ind. Appl. Math.に、ソボレフ不等式の最良定数計算についてはSci. Math. Japonicaに発表した。
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Research Products
(3 results)