2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16740093
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
岡安 類 大阪教育大学, 教育学部, 助手 (70362746)
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Keywords | 双曲的群 / 無限遠境界 / 摂動理論 / 調和測度 / 軌道同型 / 比集合 / フォンノイマン環 / 接合積 |
Research Abstract |
本年度の研究は大きく二つに分けられる。 1、Voiculescuの摂動理論に関連した不変量についての研究。この不変量はヒルベルト空間上の有界線形作用素の組に対する不変量で、彼の摂動理論において重要な役割を果たした。一方で具体的な作用素の組の例について不変量を調べてみると面白い結果がVoiculescuや私の結果によってわかってきた。特に有限生成群の正則表現からできるユニタリー作用素の組に関する不変量と有限生成群の語の成長度との関係は大変興味深い。今年度は私によって研究が進められた自由群での結果をより一般の双曲的群について不変量を計算することに成功した。基本方針は自由群の場合と同じであるが、Gromovの双曲的群の無限遠境界をサブシフトとして表すことができるというアイディアがキーポイントであった。しかし残念ながら完全なる拡張とはいかず、証明には多少の条件を必要としているのが残念である。この条件を取り外すことは今後の課題である。 2、双曲的群の無限遠境界上の調和測度の軌道同型についての研究。これは、京都大学の泉正己氏とオスロ大学のSrgey Neshveyev氏との共同で行った。我々は双曲的群の調和測度の軌道同型の比集合の完全に計算することができた。これにより、軌道同型には決してIII_0タイプは現れないことがわかる。これは自由群に関する私の以前の結果の拡張にもなっている。また双曲的群にねじれがなければ、対応するフォンノイマン環接合積についても完全に分類ができたことになるので、私の研究課題である双曲的群の無限遠境界作用の作用素環論的研究のフォンノイマン環サイドの分類は決着したことになる。これらの結果は京都大学数理解析研究所の研究集会「作用素環論の展開」やリヨン大学のセミナー等で結果報告を行った。
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Research Products
(3 results)