2005 Fiscal Year Annual Research Report
非線形波動方程式系の初期値問題に対する解の存在時間と大域解の存在条件
Project/Area Number |
16740094
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
片山 聡一郎 和歌山大学, 教育学部, 助教授 (70283942)
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Keywords | 非線形波動方程式 / 初期値問題 / 時間大域解 / null condition |
Research Abstract |
伝播速度が異なるような非線形波動方程式系の初期値問題に対し、 (H1)非線形項がnull conditionを満たし,かつ2次の部分はdivergence formを持つ. (H2)非線形項がnull conditionを満たし,かつ2次の部分は未知関数の導関数のみを含む. (H3)非線形項がnull conditionを満たし,さらに同じ速度を持つ成分の導関数同士の相互作用も全てnull formで表される. という3条件を考えると、非線形項の全ての成分が、上記(H1)、(H2)、(H3)のうちのどれかひとつ(同一の条件)を満たしているならば、時間大域解が存在することが知られている。 平成16年度は、横山和義氏との共同研究により、(H1)と(H3)の双方を特別な例として含む、より広い新たな条件の下で時間大域解の存在を示した(Osaka Journal of Mathematics掲載予定)。 平成17年度は、まず(H2)と(H3)を満たす非線形項の組み合わせで、時間大域解が存在しない例について考察し、その球対称解の存在時間に関して、シャープな評価を得た(投稿準備中)。 また、(H1)と(H2)の組み合わせで、少なくとも球対称解は大域的に存在するような非線形項の組み合わせを発見した(投稿準備中)。今後は、球対称という仮定をはずして、より一般の解の存在について調べていく予定である。
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