2004 Fiscal Year Annual Research Report
非線形拡散方程式における波面、及び曲面の力学的挙動の研究
Project/Area Number |
16740099
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
柳下 浩紀 東京理科大学, 理工学部, 助手 (80349828)
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Keywords | 非線形拡散方程式 / 非線形偏微分方程式 / 非線形解析学 / 応用解析学 / 熱方程式 / 放物型偏微分方程式 / 定性的理論 / 力学系理論 |
Research Abstract |
本研究の目的は、非線形拡散方程式の解の振る舞いについて、波面やその理想化としての曲面のような空間構造に着目して、理解を深めることであったが、反応拡散方程式や曲率流方程式等の非線形拡散方程式の解の振る舞いを、主に比較定理や力学系的手法を用いて解析した。特に『(広い意味での)特異摂動問題』、『力学的に安定な局在パターンが局所的には小さく、しかしながら、大域的には大きな変形を受けたときに示すダイナミクスを支配する縮約方程式の数学的導出』、『解の初期状態と、そこから長時間経過の後に解が示す振る舞いとの関係』、『自己相似解や進行波解に代表されるような後方大域解』等に興味を持って研究を進めた結果、中でも次のような確定的な成果を得た。 平面内の多角形の発展方程式であるクリスタライン曲率流の非凸自己相似解について研究した。儀我らによりクリスタライン流は非等方曲率流の極限として導出できることが知られているが、一方、非等方曲率流には非凸自己相似解は存在しない。これに対して、正三角形と正方形のウルフ図形をもつクリスタライン流で非凸自己相似解をもつ例を構成した。 平面内の曲線の発展方程式V=1-Kについて研究した。この曲線の発展方程式についても既に研究した双安定反応拡散方程式の波面の場合と同様にして、外へ広がる円に対する摂動は円の半径が十分大きいとき、時刻無限大までほとんど保たれるということを示せるが、さらに、曲線の発展方程式の場合には摂動がとる時刻無限大での形状が確定すること、ならびに時刻無限大での形状に対して初期摂動は一意であることを示した。
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Research Products
(2 results)