2005 Fiscal Year Annual Research Report
非線形偏微分方程式の双対構造と補償されたコンパクト性
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16740103
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Research Institution | Kisarazu National College of Technology |
Principal Investigator |
大塚 浩史 木更津工業高等専門学校, 基礎学系, 助教授 (20342470)
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Keywords | 非線形編微分方程式 / 楕円形 / 平均場方程式 / Liouville system / blow-up analysis / 対称化 |
Research Abstract |
1.Liouville systemの解析 渦点系の平衡状態の平均場極限に現れる平均場方程式は単独の方程式であるが、補助的な変数を導入することで、Liouville systemとよばれる連立の偏微分方程式系とみなすことが出来る。昨年度詳細に解析したSU(3)戸田方程式系と呼ばれるLiouville systemの場合に引き続き、平均場方程式に関連するLiouville systemの解析を行った。新たな知見として、平均場方程式の変分構造に関連するTrudinger-Moser不等式を最良の形で得た('06 Adv.Differ.Equ.)。これは、定符号の渦度をもつ渦点系に関しては良く知られているものだが(Caglioti et al.'92 Commun.Math.Phys.,L.Fontana '93 Comment.Math.Helv.,M.M.H.Kiessling '93 Comm.Pure Appl.Math.)、符号が異なる渦度をもつ渦点が混在する系に対応するものに関しては、明らかではなかった。証明は、Liouville systemの双対構造に着目したblow-up analysisに拠った。 2.渦点の正則化に関して 応用上よく用いられる渦点モデルとは、渦度がDirac測度の和であると仮定された流体のモデルだが、この特異性により、渦点モデルから定まる渦度場は、2次元非圧縮性完全流体の基礎方程式であるEuler方程式を満たさない。そのため、その意味付け(正則化)は重要な課題であると思われる。これまでも多くの研究者により正則化の試みは為されたが、以前の結果('99 Kushu J.Math.)を推し進め、統計力学的変分問題に関連付けた正則化という、新たな方向性を与えた('05 GAKUTO International Series, Math.Sci.Appl.Vol.22)。証明は、方程式の双対構造と深く関連するEuler方程式の弱形式の構造を用いた。
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Research Products
(2 results)