2004 Fiscal Year Annual Research Report
活動銀河における巨大ブラックホールバイナリーの観測的研究
Project/Area Number |
16740107
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
須藤 広志 岐阜大学, 工学部, 助手 (70362176)
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Keywords | ブラックホール / 電波天文 |
Research Abstract |
銀河合体の結果生じると考えられているブラックホールバイナリーは、一般相対論的な重力波を放射しながら合体し、太陽の1億倍以上の質量を持つ巨大なブラックホールの形成に大きな役割を果たしていると思われている。 本研究では、ブラックホールバイナリーを10マイクロ秒(月面上の2cmに相当)という超高精度のアストロメトリーによって検出し、その詳細な運動を探ることでブラックホールの合体過程を明らかにすることを目的としている。 今年度の成果は以下のとおりである。 1)電離層の秒スケール変動の調査 10マイクロ秒のアストロメトリーを実現するためには、電離層による電波遅延の補正が必須であるが、これはまだ十分な精度で確立されたとは言えない。特に、数秒という短いタイムスケールでは一切の補正がなされていない。そこで、電離層の短時間での影響を調べるため、VLBI観測を行った。このデータと国土地理院GEONETから得られる電離層データベースおよび京都大学MUレーダーによる電離層観測データとの比較を行うことで、電離層の影響をより詳細に調べ、TID(Traveling Ionospheric Disturbance)などの電離層現象の検出を行う。 2)バイナリーブラックホール探査観測の開始 アメリカ国立天文台によるVLBIシステムVLBAによって、バイナリーブラックホール候補天体のモニターが実施されている。今年度は2回行われ、良好な観測データが取得されている。来年度も2回観測が行われ、この2年間でバイナリーの軌道運動を求める予定である。
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