2004 Fiscal Year Annual Research Report
解適合格子数値シミュレーションを用いた連星系形成の研究
Project/Area Number |
16740115
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
松本 倫明 法政大学, 人間環境学部, 助教授 (60308004)
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Keywords | 星間現象 / 星形成 / 数値シミュレーション / 重力収縮 / 数値流体力学 / 解適合格子 / 計算物理 / 宇宙ジェット |
Research Abstract |
本研究では、連星系形成を高解像度の数値シミュレーションを調べるため、解適合格子を用いた数値シミュレーションコードを開発する。今年度は、流体部分のチューニングを進めた。 数値シミュレーションコードは、ベクトル並列計算をターゲットとしている。解適合格子は、格子の生成・消滅を何度も繰り返しながら計算を進めるため、並列化の負荷バランスを保つのが難しいとされている。本研究で開発したコードでは、ヒルベルト空間充填曲線を導入することにより、負荷バランスを保つように工夫した。このコードを用いて衝撃波反射問題等のテストを行い、適切に負荷バランスを保ちながら格子の生成・消滅が行われることを確認した。 また、解適合格子の開発と平行して、従来の多層格子法を用いて連星系形成の研究を進めた。今年度は、星間磁場が連星形形成に与える影響を調べた。その結果、星間磁場は連星形形成を抑制する結果を得た。連星系の母体となる分子雲コアが収縮する過程で、星間磁場による磁気トルクは分子雲コア高密度部の角運動量を低密度部に輸送し、結果的に、形成される星の第1コアの回転は遅くなる。この遅くなった回転が分子雲コア高密度部の分裂を抑制し、連星形形成も抑制する。 さらに、星間磁場による磁気トルクの効果を詳細に調べるため、初期に分子雲コアの回転軸と磁場の方向が非平行なモデルの進化も調べた。その結果、磁気トルクは角運動量の磁場に垂直を選択的に輸送し、角運動量の磁場と平行な成分だけが高密度部に残る。その結果、回転軸と磁場が平行なモデルに収束する。また、アウトフローが角運動量輸送に重要な役割を果たすことを確認した。
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Research Products
(5 results)