2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16740127
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
飯島 北斗 特殊法人日本原子力研究所, 関西研究所・光量子科学研究センター・自由電子レーザー研究グループ, 任期付研究員 (90361534)
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Keywords | 電子線形加速器 / フォトカソードRF電子銃 / Velocity Bunching / パルス圧縮 / 自由電子レーザー / 医療用加速器 |
Research Abstract |
本研究の速度集群(VelocityBunching)は、イタリア・ミラノ大学のLuca Serafini教授が2000年に提唱した新しい電子パルスの圧縮方式である。特徴は、MeVオーダーの電子ビームを従来の磁気圧縮を用いずに加速管内で圧縮するところにある。このため根本的にSynchrotron Radiation(SR)、Coherent Synchrotron Radiation (CSR)によるエミッタンスの増加は起こらず、レーザーコンプトン散乱や自由電子レーザー(FEL)における高品質電子線パルス発生に対し極めて有効な手法であるとされてきたが、実証例はきわめて少なかった。そこで本研究の目的は、速度集群の実験実証をおこない、FELおよび医療用加速器への実用化を評価・検討することにある。 平成16年度までに東京大学・ライナック研究施設に設置されているフォトカソードRF電子銃を用いた18MeVリニアックを用いて、実験の準備を進め、速度集群による圧縮に成功した。この際、圧縮された電子のパルス幅はフェムト秒ストリークカメラを用いて計測した。結果は電荷量1nCに対し、0.5±0.1psec(mms)であった。これは従来の磁気型パルス圧縮器の性能と同等である。また、このときのビームエネルギーは10MeV弱であった。 今回の実験パラメーターは東大18MeVリニアック固有のものであるが、おおよそ医療用加速器が要求するパラメーターを反映しており、医療への応用は十分に期待できるといえる。また、FELに対しては・通常加速のための加速管を用意することでビームのエネルギーを上げることが可能である。
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