2004 Fiscal Year Annual Research Report
大口径紫外線用イメージインテンシファイアの高感度化
Project/Area Number |
16740130
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅岡 陽一 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (40345054)
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Keywords | 第一世代イメージインテンシファイア / 大口径 / 紫外線用 / 超広視野高精度望遠鏡 / 大気チェレンコフ光 / 大気蛍光 / GRB光学閃光 / Ashra実験 |
Research Abstract |
本研究では、Ashra望遠鏡の高感度化を目的としたUV用イメージインテンシファイア(UVII)の改良・開発を行う。既に開発済みのφ400mmUVIIの詳細な性能評価とそれを基にした、大口径化(≧φ500mm)、光電感度向上(≧15%)を目標として、研究を行っている。本年度は、ハワイ州マウイ島ハレアカラ山頂でのAshraテスト実験にφ400mmUVIIを使用し、オンサイトでの性能・安定性のチェックを行うと共に、高感度化に向けての開発を進めてきた。以下に各項目の成果概要をまとめる。 400mmφUVII性能評価:製作したUVIIの実験実施環境での性能や安定性を評価し、高感度化試作品に反映するために、ハレアカラ山頂に2台のプロトタイプ望遠鏡を設置し試験観測を行ってきた。現在までで約半年間の観測を行っており、その間安定に動作し性能劣化等のないことが確かめられた。これによって、基本設計の正しさを確認することができた。 入力窓大口径化:Ansysを用いた構造解析を活用して設計された、φ600mmの大口径入力窓試作品に対して、2.5気圧差の耐圧試験を行って耐圧性能を確認した。安全性を確保するため空気圧ではなく水圧で加圧している。この結果、UVIIの大口径化にとって最も大きな開発項目をクリアすることができた。 光電感度向上:本UVIIは光電材料としてバイアルカリを使用しており、原理的には20%以上の量子効率を期待できる。一方、改良元のX線IIは単一光電子の検出を目的としておらず入力側の蛍光体がIIの利得を主に決定しているため、量子効率の向上に最適化された設計になっていない。本年度は、量産型の6インチX線IIにガラス入力窓を取り付けた6インチUVIIを製作し、量子効率の評価・パラメータの最適化を開始した。
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