2005 Fiscal Year Annual Research Report
ニュートリノファクトリーにおける原子核乾板実験の検証
Project/Area Number |
16740138
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小松 雅宏 名古屋大学, 大学院・国際言語文化研究科, 助手 (80345842)
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Keywords | 原子核乾板 / ニュートリノ / NuMI / ニュートリノファクトリー |
Research Abstract |
ニュートリノファクトリーにおける原子核乾板実験の実施にとって最も重要なテスト実験を既に開始するに至った。私はアメリカ合衆国フェルミ国立加速器研究所にて現存する唯一の高強度のニュートリノビームライン通称NuMIに我々の原子核乾板とファイバー検出器とからなるハイブリット検出器を設置するために主導的立場で立案実施を行ってきた。本年度2005年9月より2006年2月末日までの期間に、原子核乾板中に50k反応ものニュートリノ反応を得ることに成功した。今後解析を進め、次年度も継続的にデータ収集を行う。 本年度蓄積されたニュートリノ反応の解析は現在進行中である。我々が有する原子核乾板自動飛跡読み取り装置で読み出された飛跡とファイバートラッカーで記録された飛跡とのマッチングは非常に良好に行われファイバートラッカーのテータを元に後方のMINOS Near Detectorとのデータコネクションをも達成するに至った。 加えて、ニュートリノ研究ソサイエティーにおいてはスーパービームと呼ばれる現状と同様だが高強度のニュートリノビーム(JPARC)の次の世代のニュートリノビームライン通称ニュートリノファクトリーにおける実験装置の選定を行う為のインターナショナルスコーピングスタディーワーキンググループにて、我々が提唱する原子核乾板を磁場中に設置して電子、反電子ニュートリノ反応をも識別可能なセットアップを提唱した。そのセットアップの基本的な性能評価をMCをベースに行い非常に良い結果を得ている。今後更に発展させ、その実証試験も行う予定である。この成果はイタリアの共同研究者と共に推進中である。 この一貫として我々の共同研究者である東邦大学のグループにより最も重要なコンポーネントとなるエマルションスペクトロメーターのテスト実験においては1Tの磁場の下でわずか3cmという短いGapにて2GeVまでの運動量測定のデモンストレーションをやり遂げた。 本年度我々の研究グループは次世代ニュートリノ振動研究における重要な検出器の一つとして世界に認知させるに至った。2006年もこのインターナショナルスコーピングスタディーグループの一員として将来計画の作成に我々の技術を元に現実的な実験計画の立案を行っていく。
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