2005 Fiscal Year Annual Research Report
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16740139
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
萩野 浩一 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20335293)
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Keywords | 不安定原子核 / 対相関相互作用 / 共鳴状態 / 重イオン準弾性散乱 / 結合チャンネル法 / 変形ポテンシャル / 双極子励起 / 双中性子相関 |
Research Abstract |
本研究の目的は、弱く束縛した不安定原子核の構造と反応を統一的に記述する試みを行うことである。これに関連して、今年度は以下に記す研究実績を得た。 1.中性子ドリップ線上の原子核である11Li,6He,240に対して、密度に依存する対相関相互作用を用いた3体模型計算を行った。ハロー核である11Li及び6Heにおいては、その基底状態及び励起状態において双中性子相関が重要となることを明らかにした。また、この模型が双極子励起の実験データを良く再現することを指摘した。 2.変形ポテンシャル中の1粒子状態のゼロ・エネルギー極限での振舞いを結合チャンネル方程式を解くことによって明らかにした。共鳴状態の波動関数の多重極展開を行い、ゼロ・エネルギー近傍を除けば各成分は負エネルギーから正エネルギーに滑らかにつながること、また、ゼロ・エネルギー近傍では1=0成分が主要成分になること、を明らかにした。 3.極低エネルギーにおける重イオン準弾性散乱の解析を行い、原子核間ポテンシャルの表面パラメーターの議論を行った。球形核同士の系では、表面パラメーターが標準的な値となっているが、変形核を標的核とした場合には標準的な値より大きな値を持つことを明らかにした。 4.超重核元素合成反応に対して結合チャンネル法による解析を行った。重い系においてよく知られている核融合断面積の抑制の約半分程度は、クーロン励起による相対運動エネルギーの減少として説明できることを明らかにした。
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Research Products
(10 results)