2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16740140
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷垣 実 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (90314294)
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Keywords | 核偏極 / RIビーム |
Research Abstract |
微小角散乱による偏極RIビーム生成実験をすすめるため、RIビーム生成試験を進め、あわせてビームライン、測定機器の整備を行った。 まず、微小角散乱のためのRIビーム生成に使用する東北大サイクロRIセンターのRFイオンガイドによるRIビーム収量向上のためのRFイオンガイドの改良とテスト実験をおこなった。これまでにfission productとして得たA=100程度の質量数の領域のRIビームの強度が従来の5〜10倍に増えたことを確認した。例えばRh-112でのテストでは従来のイオンガイドの実績の約5倍のビーム強度改善を実現した。これを踏まえて偏極生成実験に使用する酸素15でのRIビームの製造テストを行ったが、期待された程増えなかった。今回窒素ガスをターゲットとしたが、イオンガイド内に導入したビームによって生成されるプラズマによってイオンの収集効率が下がっているとみられ、ターゲットの選定に検討が必要であることが判明した。ターゲットの選定は引き続きすすめる必要がある。このテストと並行し、イオンガイドで生成されたRIビームの微小角散乱のための散乱体や静電Qレンズを納めるための大型チェンバーの製作をすすめた。静電Qレンズに関しては、RIビームの輸送に関するシミュレーションを行い、最適な条件を検討した。その結果をふまえて既存の高圧電源の取り付けのための改良をおこなった。偏極測定法としてはβ-NMRの採用を検討しているが、そのための計測系として既存のCAMAC計測系の測定プログラムを偏極測定用に改良する作業を進行中である。またβ-NMRでのスピン制御のためのRF信号モニタ装置やシーケンス制御のための制御装置を購入して、偏極測定のためのシーケンス制御のテスト実験を進めている。
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