2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16740143
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 朗 大阪大学, 大学院・理学研究科, 特任助手 (40362610)
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Keywords | 検出器 / 高分子発光材料 |
Research Abstract |
次期大強度ビームを利用した実験では、高計数率環境下で動作し、真空耐性を持ち、かつ物質量が極力少ない新しい荷電粒子検出器が実験精度の向上に重要な役割を果たす。本研究では、近年有機EL業界を中心に著し発展がみられる新しい高分子発光材料を用いた次世代の荷電粒子飛跡検出器の研究開発を進めている。今年度は主に高分子発光材料の選定、光学シミュレーションによる検出器構造の基本設計を行った。 1.高分子発光材料の選定 発光量・発光スペクトル・発光時間・溶媒への溶解性の観点から適した発光材料の検討を行った。数ある有機EL高分子発光材料の中で、発光減衰時間が200ps〜400ps程度の共役系発光材料、特にPPV(p-phenylene vinylene)系に着目して選択を進めた。現在は溶解性の高いBEHP-PPVやMHE-PPVなどを候補に検討している。種々の溶媒に対する溶解性については来年度も引き続き検討を続ける。これらの発光材料は500nmm付近に発光波長ピークを持ち、光電子増倍管などの感受波長にも適している。また、高い溶解性を示す高分子発光材料は稀である。このような不溶性発光材料については蒸着手法も検討している。 2.光学シミュレーション モンテカルロシミュレーション計算により、発光材料の光量、媒質へ混入する散乱体の濃度及び検出器の形状について検討を行い、検出器構造の基本設計を進めた。このシミュレーション計算を基に試作器製作を進めている。
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