2004 Fiscal Year Annual Research Report
超高エネルギーガンマ線によるパルサー星雲内相対論的プラズマ流の直接検証
Project/Area Number |
16740149
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
櫛田 淳子 東海大学, 理学部, 助手 (80366020)
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Keywords | 宇宙線 / 超高エネルギーガンマ線 |
Research Abstract |
パルサー星雲理論モデルにおける最大の謎は超相対論的パルサー風が電磁エネルギーからプラズマの運動エネルギーへの変換される効率が99.7%と非常に高いことである。本研究では、4台のCANGAROO10m望遠鏡でパルサー星雲をステレオ観測してこの変換領域である衝撃波内側からのSub-TeVガンマ線の詳細なスペクトルを求め、加速粒子の種類や加速領域での磁場など重要な物理量を導き、パルサー星雲の詳細な構造を求め、さらに他波長の結果とあわせたスペクトルからパルサー風のローレンッ因子を推定し、高い変換効率を保つ加速機構を解明することを目指している。 今年度は、まず昨年度末に4台のCANGAROO望遠鏡で観測を行ったかに星雲のデータの解析を行い、ステレオ観測データの解析手法を確立した。かに星雲はTeVガンマ線源として標準的な天体であり、多波長にわたりスペクトルの形状やフラックス量がよく知られている。このかに星雲のデータ解析の結果、CANGAROOグループをはじめ複数のグループによってこれまでに得られていたTeV領域のスペクトル結果と矛盾がないことが確かめられた。また平成16年6,7月の間、かに星雲とは多波長スペクトルの描像が異なり衝撃波内側からTeVガンマ線が放射されている可能性が高いと考えているPSR1706-44の4台の望遠鏡によるステレオ観測を行い、現在解析中である。これらの解析結果は今年8月に行われる宇宙線国際会議で公表する予定である。
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