2004 Fiscal Year Annual Research Report
K2Kファイバー検出器応答を用いたGeV領域ニュートリノ・核準弾性散乱反応の研究
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16740157
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
石田 卓 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (70290856)
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Keywords | ニュートリノ / ニュートリノ振動 / T2K / J-PARC / K2K / シンチレーションファバー / イメージ増倍管 / 原子核 |
Research Abstract |
ニュートリノと原子核の相互作用のうち、荷電準弾性散乱反応は、ニュートリノ3世代混合の詳細を究明する次世代ニュートリノ振動実験(T2K)において、ニュートリノエネルギーの再構成に用いられ、振動解析の最重要な反応である。本研究はK2K前置検出器のひとつであるシンチレーションファイバー検出器で観測された数万に及ぶ事象を用いてこの荷電準弾性散乱反応を詳細に研究、その相互作用断面積を決定することを目的とする。本年度は以下の研究実績をあげることができた。 1)ファイバー検出器で用いられているイメージ増倍管応答のLEDを用いた高精度の光応答を扱えるキャリブレーションシステムを製作、ピクセル分布の光量による依存性のデータを取得することに成功した。さらにデータを取得・解析することで、光量の大きな陽子に対するS/N比を定量的に理解し、陽子トラックに対するヒット検出やトラック検出、ひいては粒子識別能力の改良を進めていくことが可能となった。 2)平成16年9月から再開されたK2K実験において、イメージ増倍管の輝度情報の安定性をモニターできるLEDによるシステムを開発導入、運用を開始することができた。約2秒毎にLEDによって供給される安定した光を24本のイメージ増倍管で常時モニターすることで、増倍管の長期運転にわたる安定性を確認することができたことは大きな成果であり、今後のファイバー検出器データ解析に大きく資するものとなった。 3)これらの成果を反映させ、ファイバー検出器データの解析をすすめ、準弾性散乱反応の相互作用断面積について、プレリミナリーな結果を得ることができた。結果は日本物理学会第60回年次大会において、共同研究者により報告された。 T2K実験に関する研究を平成16年夏大阪で行われた「第6回ニュートリノファクトリー国際会議(NuFact04)」において、K2K実験データの砕石結果を平成16年夏中国で行われた「第32回高エネルギー物理学会議(ICHEP04)」において、それぞれ登壇発表を行うことができた。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] T2K Phase-I2005
Author(s)
T.Ishida
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Journal Title
In Proc.Of 6th International Workshop on Neutrino Factories and Superbeams (NuFact04), Osaka, Jul26-Aug01, 2004
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