2004 Fiscal Year Annual Research Report
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16740160
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
寺田 幸功 独立行政法人理化学研究所, 牧島宇宙放射線研究室, 研究員 (90373331)
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Keywords | 宇宙 / 粒子の加速機構 / 太陽軟γ線観測 / モンテカルロ計算Geant4 / 電子陽電子追跡型検出器 |
Research Abstract |
本研究は、宇宙における粒子の加速機構をあきらかにする第一歩として、太陽フレアに由来する高エネルギー電子と陽子のエネルギー分布を求める事を目的としている。既存の衛星データを用いた硬X線のエネルギースペクトルの解析と、太陽表面における硬X線・軟γ線放射のモンテカルロ計算を行い、両者を比較する研究が一つの柱となる。本年度は、衛星データ解析や数値計算に使用する計算機環境を整備すべく、高速の計算機サーバを一台導入した。また、高エネルギー陽子が、π0中間子を経由して崩壊するときにでるγ線をとらえるために、電子陽電子対生成を利用したGeVエネルギー領域のγ線撮像検出器の開発が必要であり、その基礎的な研究がもう一つの柱である。この検出器開発や、前者の太陽シミュレータに必須であるGeant4ツールキットを利用したモンテカルロ計算の手法について、各分野の専門家と議論すべく、日本第五のX線衛星Astro-E2のモンテカルロシミュレーションの結果を携え、2004年度イタリアで開かれたIEEE国際学会に参加した。GeVγ線撮像検出器の開発に関しては、対生成直後の電子陽電子の追跡精度が空間分解能を左右することが明確になり、ある条件では、当初予定していた、多段のシリコンストリップ半導体よりも、光ダイオード型のシリコン半導体の方が有利である可能性がでた。本年度は、両デバイスを購入した段階であり、来年度に引続き、両者の読みだし系を立ち上げ、性能を比較する予定である。
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