2004 Fiscal Year Annual Research Report
磁性金属/誘電体・半導体界面における構造とスピン偏極率
Project/Area Number |
16740162
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長尾 和多加 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (00361197)
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Keywords | 磁性 / 界面 / ハーフメタル / スピン依存輸送 / 第一原理計算 |
Research Abstract |
平成16年度の研究では、ハーフメタル(一方のスピンに対して金属的で、他方のスピンに対しては半導体的な物質)と半導体との界面を第一原理計算により調べ、界面付近でもハーフメタル的振舞いがみられる、極めて稀なケースを幾つか見つけた。 まずひとつはフルホイスラー合金に属するCo_2CrAlとGaAsの界面であり、(110)界面においてハーフメタル性を良く保つ構造があることが分かった。ここで(110)界面の原子配置としては幾つかのパターンを調べているが、そのうち界面でハーフメタル的に振舞うものは2つあり、さらにその内の1つは、考慮した(110)界面構造のなかでは最もエネルギーの低い原子配置であった。このことは、ハーフメタリックな(110)界面が比較的安定に存在し得ることを示唆しており、その実現を期待させるものである。またさらにCo_2MnSi/GaAs界面でも、最安定構造ではないが、ハーフメタリックな(110)界面をみつけている。 もうひとつ界面におけるハーフメタル性を確認したケースとして、閃亜鉛鉱方CrAs/GaAs界面があげられる。この場合、(100)、(110)、そして(111)面方位の全てでハーフメタル性が見られた。それらハーフメタリックな界面は、Cr原子とGa原子がちょうど界面でAs原子を挟むように(-As-Cr-As-Ca-As-のように)並ぶ構造を有しており、エネルギー的にも低い界面構造であることが分かっている。
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