2004 Fiscal Year Annual Research Report
低抵抗n型ダイアモンド半導体の気相成長のハイブリッドシミュレーション
Project/Area Number |
16740163
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西松 毅 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (70323095)
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Keywords | 第一原理計算 / 分子動力学法 / 結晶成長 / グラファイト化 / ドーピング / ドーパント / 不純物複合体 / 核形成 / Linux Beowulf cluster |
Research Abstract |
本研究の目的は薄膜の気相成長をシミュレートできる第一原理・古典ハイブリッド分子動力学法を確立し、ダイアモンド半導体素子の実現に不可欠な低抵抗n型ダイアモンドの成長条件をコンピュータシミュレーションにより見出すことである。平成16年度は、計算機システムの構築とハイブリッドシミュレーションのプログラム開発を行う計画で研究を遂行した。同時に水素ホウ素(BH_2)複合欠陥によるダイアモンドのn型化の真偽と機構を明らかにするための理論研究も行った。 計算機システムとしてLinuxを基本ソフトとして用い、ディスクを一切持たないクライアントがネットワークを利用して起動する仕組み(PXEブート)をもったメンテナンス性の高いBeowulfクラスタを完成させた。Message Passing Interface(MPI)により並列化されたプログラムが実行可能である。 シミュレーションのプログラムはフリーソフトウェアの第一原理計算コードである。abinitを改造し、第一原理・古典ハイブリッド分子動力学計算が可能になるよう作業を進めている。第一原理領域と古典領域の境界の原子に働く力を高精度に計算することが現在の課題である。 BH_2不純物複合体についての系統的網羅的な第一原理計算によりBH_2n型複合欠陥の安定構造を明らかにした。また、そのドナー準位は比較的深いものの多量に生成された複合欠陥が不純物バンドを構成することによりn型伝導が実現される可能性があることが解った。
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