2005 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブを基にしたナノ構造体の物性解明
Project/Area Number |
16740169
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大谷 実 東京大学, 物性研究所, 助手 (50334040)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 電位一定の第一原理計算 / 手法開発 / フラーレン / FET素子 |
Research Abstract |
近年、高品質なカーボンナノチューブの生成技術の発展により、カーボンナノチューブの固体電子素子への応用が現実のものとなりつつある。また、リチウムイオン二次電池においては、グラファイト電極の代わりにカーボンナノチューブ薄膜を用いた負極電極の研究も行われている。これらの素子は電界の効果によりキャリアの誘起やリチウムイオンのダイナミクスを制御しているが、従来の第一原理計算ではこれらのナノ構造体に電圧を印加した下での電子状態を扱うことはできなかった。 初年度にあたる昨年度から、電圧印加の効果を効率よく第一原理計算に組み込む方法論を開発し、コーディングを行ってきた。本年度では実際にいくつかの第一原理計算プログラムに本手法を導入して、様々な物質の計算を行った。特に、カーボンナノチューブに電圧を印加したときに起こるキャリア電子誘起の様子を本手法を用いた結果、始めて明らかになったものであり、本手法の有用性を示すものである。
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