2004 Fiscal Year Annual Research Report
理想的な強相関二次元系の作成と乱れによる金属的伝導
Project/Area Number |
16740189
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
須崎 友文 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (20332265)
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Keywords | 強相関電子系 / 表面・界面 / アンダーソン局在 |
Research Abstract |
AuクラスターをTiO2(110)表面に形成し、どのような人工二次元電子状態が形成されるかどうか調べた。具体的には、走査トンネル顕微鏡(STM)、走査トンネル分光法(STS)、光電子分光法(PES)で調べた。まず、Auを担持する前のTiO2(110)表面の局所的な電子状態については、酸素欠陥由来のTi3d状態に相当するエネルギー(サンプルバイアス電位=-1.1v)で測定された像には、5配位Ti上に輝点が観測され、酸素欠損では暗点が観測された。この結果は、Ti3d状態が5配位Tiに存在していることを示し、これまで提案されてきた酸素欠損への局在とは相反する結果である。STSの結果もSTMの結果と一致した。次に、AuクラスターとTiO2(110)表面の相互作用をPESとSTMで調べたところ、Auの蒸着によってTiO2(110)のバンドの歪みの解消、Ti3d状態のピークの減少が見られたことから、AuクラスターがTiO2(110)の欠陥サイト(ステップ、酸素欠損など)に成長し、そこでTi3d電子がAuにクラスターに移動していることが明らかとなった。 さらに、ペロブスカイト型酸化物p-nヘテロ接合La1-xSrxMnO3/Nb : SrTiO3を作製し、この接合において、外部磁場を印加することにより電流-電圧特性が低バイアス側にシフトすることを見出した。このヘテロ接合の電気容量の磁場依存性を測定したところ、界面空乏層の変化に伴う、電気容量の大きな磁場依存性が観察された。SrTiO3へのNbのドープ量を変化させたとき、磁場による電気容量の変化は顕著であった。
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