2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16740232
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
長谷川 太郎 兵庫県立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80289305)
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Keywords | イオントラップ / 共同冷却 / レーザー冷却 / CW光第3次高調波発生 |
Research Abstract |
本研究では、イオントラップにおいて共同冷却された原子イオンを量子計算機へ応用するための基礎的実験を行うことを目的としている。本年度の主な目標は、イオントラップ装置の設計・組立である。 量子計算機への応用には、複数のイオンを極低温にできることからリニアトラップが適しているので、本研究でもリニアトラップを製作することとした。トラップ電極は、従来は4本の金属ロッドからなるもののみが考えられていたが、本研究では空間的に非線形なポテンシャルや回転するポテンシャルを加えられるようにするため、12本の金属ロッドを使用することとした。また、超高真空中に入れるため、絶縁体はセラミックのみで構成されるように設計した。本年度は以上の考えに基づき、イオントラップの製作・組立を行った。超高真空中への封入は、来年度行う予定である。 また、冷却用レーザー装置の整備も行う必要があった。マグネシウムイオン冷却用レーザー(波長280nm)は、840nm半導体レーザーの第2次高調波を行い、得られた420nm光と元の840nm光の和周波発生を行うことにより、第3次高調波を利用する。しかし、波長変換効率が悪く、効果的に強度が十分な280nmの光が得られなかった。これを改善する目的で、第2次高調波発生の段階で利用していたLiB_3O_5結晶をKNbO_3結晶に交換する。これにより、変換効率は10倍程度よくなると期待できる。KNbO_3結晶は約-35℃で使用するので、冷却用の結晶マウントを製作した。
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Research Products
(3 results)