2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16740238
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
大向 隆三 独立行政法人情報通信研究機構, 基礎先端部門レーザー新機能グループ, 主任研究員 (40359089)
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Keywords | 原子リソグラフィー / 原子光学 / イッテルビウム |
Research Abstract |
原子リソグラフィーにおける原子描画性能を向上させるため、原子の波動的性質を駆使したリソグラフィー法に必要なコヒーレント原子ソースの開発研究に着手した。実用的で高効率な原子ソース生成技術の開発を目指し、磁気光学トラップ(MOT)で10^9個の極低温原子サンプルを作製することに成功した。従来手法と同じ時間内に、3桁大きな原子数を有する極低温原子サンプルを生成できたことになり、発生技術の飛躍的な高効率化を実現した。なお、本研究成果に関して応用物理学会(2004年秋季、東北学院大学)にて口頭発表を行った。 遠共鳴レーザー光を使った原子リソグラフィー法において、波長532nm、出力10Wのレーザー光を光マスクに用いたYb原子パターンシミュレーションを行った。その結果、相互作用長を10ミクロンとしたときに十分な大きさの光双極子力ポテンシャル障壁を得ることができ、所望の原子パターニングが達成されることがわかった。加えて、相互作用長を10ミクロンより大きくして実効的な光強度が減少した場合でも、原子パターニングそのものは達成可能であるとの見通しを得た。この結果は、必ずしも十分に高いポテンシャル障壁を用意しなくても相互作用長で補償すれば原子パターニングが達成されることを示した初めてのシミュレーション結果である。本成果の一部は誌上論文で発表した。(Sci.Tech.Adv.Mat.5(2004)585-588など) 遠共鳴レーザー光を使った原子リソグラフィー法において、波長532nm、出力10Wのレーザー光で光マスクを生成するための予備実験を行った。実際の実験配置に即して解析した結果、レーザー光源のモード特性や基板マウント温度への影響など、原子を描画するうえで危惧される問題点は見出されなかった。従って、本手法をベースに実際に原子描画へ移行できる見通しを得た。
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Research Products
(4 results)