2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16740241
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
奥村 剛 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (80271500)
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Keywords | ソフトマター / 複合系 / 破壊 / 多孔性物質 / ポリマーフォーム / 濡れ |
Research Abstract |
(1)層状構造体の破壊力学 われわれは、真珠層などの層状構造体が丈夫になる理由として、層状構造をとることで亀裂先端での応力集中が軽減されるということを明らかにしてきた。これに関連する最近の一連の研究成果を、別のアプローチで異分野の研究者にも分かりやすい形で新たに導き、いままでの理論結果の基礎付けを進めることができた。この結果は、国際雑誌に発表した。 (2)ネットワーク・フォームの破壊 ポリエチレンフォーム(包装材)のシートの破壊に関する実験的研究を行った。このフォーム(多孔性物質)は、理想的な線形弾性を示すことを実験的に確認し、脆性固体ではないにもかかわらずグリフィスの理論が成立することを広い領域で確認した。さらに、破壊エネルギーを直接求め、このフォームの破壊の物理を明らかにした。この結果は、近日中に国際雑誌に投稿する予定である。 (3)林檎などの食物の瞬間冷却に際する構造変化 林檎などの食物の破壊強度が冷凍に際し上昇することを見出し、これをトレーシングペーパーの破壊と比較したイギリスグループの報告がある。この振る舞いについて非常に簡単なモデルでその物理を明らかにした。イギリスの研究者と共著論文書き上げ、国際雑誌に投稿中である。 (4)複合表面での濡れ転移 植物の葉の表面などを模擬したテクスチャー表面での濡れは、「複合表面」での濡れとみなすことができる。この際に考えられる濡れ転移について接触角履歴の果たす役割を考察した。この効果が非常に重要であるという予備的な結果が出ており、研究が進行中である。
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Research Products
(1 results)