2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16740245
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
古沢 浩 高知工科大学, 工学部, 助教授 (20282684)
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Keywords | マニピュレーション / 誘電泳動 / 針電極 / コロイド / マイクロチップ / 電気泳動 / 一細胞操作 / 電気動力学 |
Research Abstract |
本研究では、新しいクーロン・キャラクタリゼーション法(マイクロプローブ電気泳動法)の開発を行い、それをコロイドと単一細胞へ適用した。 本年度に開発した装置は、先端径1μmのタングステン針とマイクロマニピュレータの組み合わせを2セット用いた、電気生理実験の装置に類似したシステムである。これにより、テスターによる電流・電圧測定と同様の要領で、ある特定のターゲット(本年度はコロイドと1細胞)にのみ、交流を含む外部電場を局所印加することが可能となった。 その結果得られた成果は以下の通りである。まずコロイドについては、一対のプローブ電極でテスト粒子であるコロイド粒子を挟む形で配置し、波形発生器で1Hz程度の交流電場を印加することにより、テスト粒子を電極間で往復運動させながら、目的地へ移送することを実現した。さらにガラス界面付近での粒子の電気泳動挙動を調べた結果、有用な知見を得ることができた。これらの結果と既存の測定法による結果を比較するため、今回新たに電気泳動モジュール(マイクロテック・ニチオン)を導入した。また1細胞にっいては、誘電泳動力を用いた電気的マニピュレーションに成功した。可能な操作としては、非接触3次元並進運動、2・3次元回転運動がある。この方法を利用することで、細胞のガラス界面への固定及び引き離し、微小領域への誘導、細胞内の小器官単離にも成功した。 以上の成果(特許出願済み)から、今回開発した「2電極式非接触マニピュレーション法」は、マイクロチップ中での電気動力学的特性をしらべる新しい測定手法、ならびに、光ピンセットよりもはるかに廉価(10分の1以下の価格)でかつユニークな1細胞操作法としての可能性を秘めていることが示唆される。
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