2004 Fiscal Year Annual Research Report
地震活動の時空間変動に基づく摩擦特性の推定のため基礎的研究
Project/Area Number |
16740248
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
矢部 康男 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30292197)
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Keywords | 摩擦すべり / AE / 回転式大変位すべり試験機 / 地震活動 / アスペリティー / すべり速度依存性 / すべり量依存性 / 摩擦構成則 |
Research Abstract |
既存断層面のすべりに伴って発生するAE活動や断層の摩擦特性が,断層のすべり速度の変化や断層の大変位のすべりに伴いどのように変化するのかをあきらかにするため,回転式せん断すべり試験機を用いた室内摩擦すべり実験をおこなう.回転式せん断すべり試験機は,別経費により今年度導入された.この試験機の既存の制御装置は,ダイヤルを手動で調整して,断層のすべり速度を制御するようになっている.このような制御方法では,特にすべり速度が大きいときに,任意のすべり量ごとに任意の速度のすべりを生じさせるのは困難である.そこで,本補助金を用いて,PCを使った制御システムを構築し,試験機を任意に制御できるよう改良した.また,同じPCで応力やすべり量,すべり速度といった力学データを計測できるようにした.これにより,一台のPCで試験機の制御と力学データの取得をおこなえるようになった. この制御・観測システムを用いて,試験機の性能確認のための実験をおこなった.実験では,岩石試料の代わりに真鍮製のダミーサンプルを用いた.その結果,本課題の目的を達成するためには,試験機に若干の改造をおこなう必要があることが明らかになった.具体的には,試料の回転に伴う載荷軸のプレを抑えるための器具の設置,変位分解能を向上させるためのロータリーエンコーダの増設,試料を載荷軸と平行に固定するための治具の作成である.以上の改造により,本課題の目的を達成するのに十分な程度に試験機の性能が改善された.
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