2005 Fiscal Year Annual Research Report
地震活動の時空間変動に基づく摩擦特性の推定のため基礎的研究
Project/Area Number |
16740248
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
矢部 康男 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30292197)
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Keywords | 摩擦すべり / AE / 回転式低速せん断すべり試験機 / 地震活動 / アスペリティー / すべり速度依存性 / すべり量依存性 / 摩擦構成則 |
Research Abstract |
本研究は,既存断層のすべりに伴うAE活動や断層の摩擦特性が,すべり速度の変化や大変化のすべりに伴いどのように変化するのかをあきらかにするため,回転式せん断すべり試験機を用いて室内摩擦すべり実験をおこなう.昨年度は,回転式低速せん断すべり試験機の設計・製作および,実装に伴う問題の解決を行った.また,真鍮製のダミーサンプルを用いたテストを行い,必要な性能が確保されていることを確認した. 今年度は,岩石試料を用いた実験をおこない,過去の実験データとの比較をおこなった.過去の実験では,#60の研磨材で研磨した断層面に5MPaの法線応力を印加し,最大100mm程度のすべりを生じさせた.ただし,その際に使用した試験機のストロークが1cm程度であったため,100mmという大変位を実現するためには,数mmごとにせん断応力・法線応力ともに除荷し,試料の位置を戻す必要があった.一方,本研究で開発した回転式低速せん断すべり試験機では,原理的には,一度の載荷で実現可能なすべり量に上限はない.しかし,すべり量の増加に伴いAE活動が低調となるため,今年度おこなった実験では,最大すべり量は200mmとした.えられたデータは,概ね,過去の実験結果と一致していたが,詳細に見ると,異なるところもある.この相違点が,過去の実験ではすべりの途中で試料位置を直していたために,面の磨耗に不連続が生じたことによるのか,載荷形態の違いによるのかはさらに検討が必要である.
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