2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16740254
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
吉原 新 富山大学, 理学部, 助手 (50361944)
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Keywords | 太古代 / 古地磁気 / 古地磁気強度 / オーストラリア / ピルバラ |
Research Abstract |
1.Black Range岩脈群(西オーストラリア・ピルバラ地域,2772±2Ma)を用いてテリエ法による古地磁気強度測定をおこなった.得られた測定結果に,Valet et al. (1996)やMcClelland and Briden(1996)が提案しているpTRMテストの結果を用いた熱変質分の補正方法を適用し,41.8±8.4μTという平均磁場強度を求めた.この値から計算される仮想磁気双極子モーメントは現在の双極子モーメントの約76%に相当する. 2.Mount Roe玄武岩(西オーストラリア・ピルバラ地域,2772±2Ma),およびKylena玄武岩(同,2741±3Ma)について古地磁気測定をおこなった.両玄武岩から求められた平均古地磁気方位は,褶曲テストやこれまでに報告されている古地磁気方位との比較などから,初生磁化方位であることが強く示唆される.両玄武岩の平均古地磁気方位から得られたVGPデータと,Pilbara地塊についてこれまでに求められている太古代〜原生代のVGP用いて,約35億年〜約20億年までの古地磁気極移動曲線を復元した. 3.ケイ酸塩鉱物の単結晶試料を用いた古地磁気強度測定の試行実験を現在もおこなっている.用いている試料は太古代の玄武岩質岩脈である(例えば,グリーンランド・イスア地域,約34億年前など).現在のところ,斜長石の分離と超伝導磁力計を用いた磁化測定までの実験プロトコルは確立できている.今後は,単結晶試料を用いたテリエ法による古地磁気強度測定法の開発・改良が課題である.
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