2004 Fiscal Year Annual Research Report
船舶搭載型下部対流圏レーダー(SB‐LTR)による赤道西太平洋域対流活動の観測
Project/Area Number |
16740266
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
橋口 浩之 京都大学, 生存圏研究所, 助教授 (90293943)
|
Keywords | 下部対流圏レーダー / 船舶搭載 / リモートセンシング / 赤道 / 太平洋 / みらい |
Research Abstract |
近年世界的に、大気運動の高度プロファイルを連続観測できるいわゆるウィンドプロファイラーをネットワーク展開し、気象予報業務に利用することが積極的に行われ始めている。陸面上の高層風観測については、ラジオゾンデ観測ネットワークに加えて、これらのレーダーネットワークにより非常に密なデータを取得できるようになったが、海洋上の高層観測データは衛星観測を除いて適当な観測手段がないため非常に不足している。一方、赤道域インドネシア周辺のいわゆる「海洋大陸」域は、地球環境変動にも関係するモンスーン変動やエルニーニョの機構解明の鍵を握る重要な領域と考えられている。本研究の目的は、船舶搭載型下部対流圏レーダー(Ship Borne Lower Troposphere Radar ; SB-LTR)を海洋地球研究船「みらい」に搭載して、赤道西太平洋域の大気観測に投入し、熱帯海洋上の積雲対流活動の実態を捉え、その振る舞いを明らかにすることである。 平成16年12月11日〜翌年1月10日に「みらい」にSB-LTRを搭載し、西部熱帯太平洋において観測を実施した。前年度に実施した試験観測では2mx2m開口のアンテナを使用したが、受信感度を向上させるため4mx4m開口のアンテナを使用した。オフラインでの精密なデータ処理のために積分時間を極力短くし、なるべく生に近い観測データを記録した。同時に、GPSや3軸角度センサーから得られる情報も記録し、オフライン処理時に船舶の動揺を補正した。初期解析結果から、積雲対流に伴う風速変動の実態が明らかになりつつある。
|
Research Products
(6 results)