2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16740267
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岩田 徹 岡山大学, 廃棄物マネジメント研究センター, 講師 (10304338)
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Keywords | 二酸化炭素交換 / 渦相関法 / 沿岸海洋 / 大気・海洋相互作用 |
Research Abstract |
本年度の研究内容としては,以下の2つの項目について実施した. 1)相関法による大気中CO_2フラックスの連続観測 これまでのオープンパス型渦相関法による通年のCO_2フラックス観測においては,下向きCO2フラックスの風速2乗依存性が確認されている。この信頼性を高めるために2つの渦相関法(オープンパス式とクローズドパス式)によるCO_2フラックス測定を海上観測に適用し,相互比較検定を兼ねた連続測定を行なった。従来の研究では外洋においてCO_2フラックスの測定値に顕著な違いがみられた二つの渦相関法の比較測定により,その違いがプラットホーム(船体)動揺に由来するものではなく,測定システムおよび分析装置自身の違いに由来するものであることが明らかとなった.このことは,大気-海洋CO_2フラックスの測定法の国際的統一に対して有効な実験結果を与えるものとなった。 2)海水炭酸変動の制御因子解明のための長期連続測定 pCO_2,海水温度,塩分,溶存酸素濃度,栄養塩の連続測定を2005年4月,7〜10月,2006年1〜3月に実施した。沿岸海域の炭酸変化については,砕波および生物活性(クロロフィル濃度)が強い影響を与える二つの因子であることが明確となった。砕波が生じる条件は風速が3.8m/sを超える時であり,このとき海水pCO_2の値は顕著な増加を見せ,風速との間に時間ラグを伴う明確な正の相関が見られることが明らかとなった。また,夏季の弱風時には水生生物の光合成の効果が確認でき,溶存酸素濃度の変化から生物的要因によるpCO_2変化量を求めることができた。ここでのpCO_2変化量はDO変化量の比例関数式でパラメータ化することができた。
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