2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16740282
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
浅村 和史 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・宇宙プラズマ研究系, 助手 (50321568)
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Keywords | 粒子観測器 / 惑星探査 / 磁気圏 / 機器開発 / 高速中性粒子 / スパッタリング |
Research Abstract |
地球磁気圏において、高速中性粒子は高エネルギーイオンと周囲の水素大気の間の荷電交換反応によって生成されるが、大気の薄い惑星では地表にまで直接イオンが到達し、表面を構成する粒子をたたきだす(スパッタリング)。たたき出された粒子の組成は惑星表面の組成を反映しており、生成位置は(もし磁気圏が存在していれば)磁気圏プラズマの大規模な構造を反映すると考えられる。本研究では惑星探査機に搭載することを念頭に、スパッタリングによって生成される高速中性粒子、特にNaやKといった重粒子を計測可能な観測器を開発する。 本年度は計算機シミュレーションを用いてセンサー形状の最適化を行うとともに、電子回路部の設計を行った。本観測器は複数の検出器(MCP ; MicroChannelPlate)やセンサー極板に高電圧を印加する必要がある。そのため、独立に制御可能な8種類の高電圧出力が必要となっている。また、MCPからの出力信号は総計19個の独立なアノードで捕集する。これは粒子の到来方向を弁別するためと、質量分析の際に用いる飛行時間分析(TOF)法の精度を高めるためである。19個のアノードがあるということは19個の前置増幅回路が必要ということであり、さらにこれらの信号の出現間隔を計測する必要がある(TOF計測)。これらの電子回路について実装・消費電力・搭載性について検討を行い、良好な結果を得た。 特に惑星探査を念頭に置く場合、消費電力の低減は観測器の搭載可否を左右する重要なポイントである。現状では3W程度(データ処理部は含まない)と見積もられており、良好である。
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