Research Abstract |
本年度は,1鮮新-更新世テフラ層のコンパイル,2福島県太平洋沿岸の鮮新統に挟在するテフラ層の試料採取と岩石学的分析,3上総層群に挟在するテフラ層の試料採取と岩石学的分析,4長野県の高野層に挟在するテフラ層の試料採取を実施した. 1については,近畿および東海地域,新潟地域,房総地域,南東北の太平洋沿岸地域の鮮新-更新世テフラについて,その岩相・層厚・粒度組成・粒子組成・火山ガラスの形状組成・火山ガラスの化学組成について,既存の文献に記載されている資料からテフラデータベースを作成した.また,各種の年代学的資料を用いて,鮮新-更新世テフラ編年図を試作した. 2については,福島県太平洋沿岸の川前・井出地域の仙台層群大年寺層に挟在するテフラ層について,記載岩石学的性質と火山ガラスの化学組成を明らかにした.隣接地域のるテフラ層については,野外記載と岩石学的特性がこれまでの研究により明らかにされている.それとの比較により,川前・井出地域に分布するテフラ層は,隣接地域より下位の層準を含むことが明らかになった. 3については,上総層群のテフラ層・220試料の分析をすでに終えており,その解析結果について第四紀学会および地質学会で発表を行った.しかしながら,検討を進めていくなかで分析試料の不足が判明した.そこで,他機関の研究者の協力を得て,上総層群笠森層中のテフラ層の野外調査を行い,あらたに試料を採取した.それらについては,水洗処理を終えプレパラートを作成した.また,火山ガラスの化学組成については分析を終えている. 4については,本年度の研究実施計画には記載していなかったが,長野県の高野層ボーリングコアに挟在するテフラ層の研究機会を得たので,テフラ試料を採取し水洗処理とプレパラートの作成を行った.
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