2005 Fiscal Year Annual Research Report
重力流堆積物の堆積メカニズムの解明:デジタル画像処理による高解像度組織解析
Project/Area Number |
16740287
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
成瀬 元 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40362438)
|
Keywords | 重力流堆積物 / 画像解析 / 堆積メカニズム |
Research Abstract |
本研究のテーマは,デジタル画像処理による高解像度組織解析を用いて,重力流堆積物の堆積メカニズムを探ることにある.本年度は,前年度に開発した手法を応用し,実験堆積物や地層中に含まれる重力流堆積物の塊状構造に適用した.その結果,肉眼では塊状に見える堆積物にも,これまで検出されていなかったさまざまな堆積構造が含まれていたことが明らかになった.この研究の主な成果はJournal of Sedimentary Research誌2006年4月号に掲載される予定である.また,これまでの成果を他の研究者と議論するため,日本地質学会において「重力流堆積物の多様性と普遍性」と題したシンポジウムを開催し,大きな成果を収めた. 加えて,今年度は北海道東部に分布する根室層群に見られる重力流堆積物を解析し,一見して塊状に見える自然界の堆積物も,実際には多様な堆積構造を含んでいることを明らかにした.新たに地層中の堆積物から発見された堆積構造は,前年度に水槽実験堆積物を解析した際に見られた堆積構造とよく一致しており,それらの堆積構造は堆積メカニズムを反映して形成されたと推定される.この成果は国際学会RCEM2005(River, Coastal and Estuarine Morphodynamics)にて公表され,学会Proceedingsに掲載された. さらに,本研究の研究成果は,さまざまな堆積物の解析に応用されつつある.例えば,スマトラ島沖地震津波による堆積物を調査した際にも,画像処理技術を用いた堆積構造解析は大いに役に立った.この成果の一部は2006年に刊行予定のDevelopments in Sedimentologyに掲載される予定である.
|