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2004 Fiscal Year Annual Research Report

生物攪乱の影響を受けない堆積速度測定法の開発

Research Project

Project/Area Number 16740290
Research InstitutionJapan Agency for Marine-Earth Science and Technology

Principal Investigator

小栗 一将  独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 研究員 (10359177)

Keywords無酸素海洋 / 鉛210法 / 現場型海底観測装置 / 堆積過程
Research Abstract

本年度は無酸素海洋における堆積過程の観察に焦点を絞り、長期観察に対応した現場型海底観測装置の開発と、同装置を用いた現場観測を行った。
海底観測装置は既製品も存在するが、コストや規模が大きいため、湖や内湾で使用するには難があった。このため小型軽量、撮影タイミングをプログラムできること、一月以上の時系列観測に耐えられるバッテリーを搭載すること、かつ一人で係留・回収などのオペレーションが可能などの条件を満たす装置を新たに開発した。
観測は湖水が海水と同じ塩分を示し、湖底が無酸素環境で知られる九州・上甑島貝池の湖心において長期間の時系列現場観測を行った。観測は2005年1月25日より3月4日までの計39日間にわたって行われ、計150枚の時系列写真を取得できた。この結果より、無酸素環境では水-堆積物境界を攪乱するような生物活動は確認されず、水中の酸素-無酸素境界に存在する光合成バクテリアが凝集して形成されたと考えられるマリンスノーが大量に堆積していることが確認された。またマリンスノーの中には、長さ数cm、幅1cmを超える巨大なものも見られ、これら大小のマリンスノーが湖底に降り積もることで堆積物表層の構造と、堆積物本体が形成されていく過程が明らかになった。
また、インベントリーモデル検証のための鉛210濃度を測定するため、堆積物・沈降粒子の採取も行った。堆積物は乾燥・粉砕後容器に密封した状態で保存しており、容器内でウラン系列が放射平衡に達した後(1ヶ月後)に試料の測定に入る。沈降粒子については濾過により試料を集めており、適量を捕集した後にβ線カウンティングのための試料処理に入る予定である。
カメラで確認された堆積の様子と、鉛210濃度プロファイルから求められる堆積速度、インベントリーモデルから求められる堆積速度を検討し、より正確な堆積速度の算出方法を評価する予定である。

URL: 

Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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