2004 Fiscal Year Annual Research Report
ザクロ石の成長過程の定量的測定を用いた変成作用の前進モデル構築に関する研究
Project/Area Number |
16740295
|
Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
林 睦子 (乾 睦子) 国士舘大学, 工学部・都市システム工学科, 専任講師 (10338296)
|
Keywords | ザクロ石 / 結晶成長 / 変成岩 / 三波川変成帯 / 三次元分析 |
Research Abstract |
研究初年度である本年度は、岩石試料の研削に精密な制御を導入し、均等な厚さでの逐次スライス研削手法を確立することが主眼であった。このために、岩石薄片用精密研磨機を導入、設置し、試料作成準備・予備研削試験を行った。試料としては、三波川変成帯四国中央部別子地域の泥質結晶片岩を用いた。 岩石試料の小片を薄片用スライドガラスに接着し、厚さ2mm程度になるように二次切断を行い、表面がスライドガラスと平行になるまで精密研磨機で研磨してスライス準備を整えた。マイクロメーターを用いて試料の厚さを精密に計測しスライス精度を確認したところ、研削面の傾斜はおよそ50μmの範囲内であることを確認した。したがって約100μm単位での逐次研削は可能であろうと考えられる。次に、試料内部に大部分が含まれるザクロ石結晶の位置特定を試みた。大粒径の結晶では、試料の両面に結晶断面が露出するため特定が容易であったが、小粒径ザクロ石については片側だけにしか断面が出ないため、この方法では特定できない。そこで、鏡面研磨した試料の表面に断面が露出しているザクロ石結晶の輪郭部分を実体顕微鏡で観察してみたところ、結晶外殻の傾き具合(試料内部に向かって広がっているか狭まっているか)を推測することによって、およその判定が可能であろうと思われた。また、化学マッピング分析の結果である画像データを敷居値によって二値化し、特定の化学組成範囲を持つ部分の面積をピクセル数で求めることができることが分かった。次年度以降は、作成した試料をスライスしながらEPMA分析を行い、スライス画像を重ね合わせることによって、ザクロ石がある化学組成で成長した部分の体積を三次元的なデータに基づいて求める手法を構築できるのではないかと考えている。
|
Research Products
(2 results)