2004 Fiscal Year Annual Research Report
オントンジャワ海台マグマの分化作用に及ぼす水の影響
Project/Area Number |
16740296
|
Research Institution | Fuji Tokoha University |
Principal Investigator |
佐野 貴司 富士常葉大学, 環境防災学部, 助教授 (40329579)
|
Keywords | マグマ / 玄武岩 / 溶融実験 / 海台 / オントンジャワ / 水 / 深海掘削計画 / 岩石 |
Research Abstract |
西太平洋に存在するオントンジャワ海台は,過去2億年間に活動した火山の中では最大の噴出率を誇る海洋洪水玄武岩である.この活動は地球環境や地球内部循環に影響を与えたと考えられており,そのマグマ成因モデルが議論されている.そのため深海掘削計画Leg192では,この海台の掘削を行った.私はLeg192に参加し,オントンジャワ海台の岩石を30個程度採取してきた.そして平成15年度までに実験岩石学的研究により,地下浅部(〜6km)の無水条件でマグマの大部分は分化したと提案した.しかし,分化の際,僅かの(〜数%)水が関与していた可能性が指摘されている.そこで地下浅部(数〜20km)を想定した水に不飽和な系(<6wt%)での岩石溶融実験を高圧実験(【greater than or equal】500MPa;地下15kmの圧力)を行うことを目的とした. 平成16年度はTRY A-1型ピストンシリンダを購入し,これの圧力キャリブレーションを行った.実験装置のシリンダーと試料容器の間の摩擦を最小にするため,試料容器の外側には食塩を使用し,500MPa(地下15km程度の圧力)の圧力が再現できるように工夫した. また岡山大学固体地球センターの内熱式ガス圧装置を使用して低圧(200MPa;地下6km程度の圧力)での溶融実験を行った.実験では酸素雰囲気の制御を行うが,これには二重カプセルを使用した.内側のカプセルには鉄-白金合金を使用し,この中に岩石試料と水を入れ,外側のカプセルには白金を使用しこの中に酸素雰囲気の制御剤(Co-CoO)を入れて酸素雰囲気の制御を行った.これまでに高圧実験で酸素雰囲気を制御した研究は数少ない.従って平成16年度は酸素制御に関する開発的な予備実験を数回行った.
|
Research Products
(7 results)