2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16740301
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
小野 重明 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 研究員 (20313116)
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Keywords | 炭酸塩鉱物 / 下部マントル / 高温高圧実験 / 相転移 |
Research Abstract |
今年度年は、まず初めに高圧実験に関する技術開発を行い、満足しうるレベルの実験を行うことが可能となった。そして、その技術を利用して、多くの研究成果を生み出しつっある。具体的には、高輝度光科学研究センター(SPring-8)および高エネルギー加速器研究機構(PF)の放射光施設を利用して、通常の実験室では得られない強力なX線とダイヤモンドアンビルセル高圧発生装置を組み合わせることにより、下部マントル最下部に相当する140万気圧以上の条件での実験を行った。カルシウム炭酸塩鉱物に関しては、約40万気圧でこれまで知られていなかった、新しい鉱物に相転移することが判明した。この研究結果については、欧文雑誌において出版予定である。また、マグネシウム炭酸塩鉱物については、約100万気圧において、凍結不可能な鉱物を発見した。この鉱物の結晶構造等の詳細な解析は、現在進行中である。また、これらの炭酸塩鉱物のアナログ物質となりうる、バリウム炭酸塩、ストロンチウム炭酸塩、鉛炭酸塩鉱物についても研究を行い。これまで報告のなかった未知の結晶構造が見出された。新ストロンチウム炭酸塩鉱物については、欧文雑誌において出版予定である。そして、これらの研究成果を国内外の学会やシンポジウムで発表を行い(AGU Fall Meetingサンフランシスコ、地球惑星関連合同大会幕張、日本鉱物学会年会岡山)、その中で特に評価の高かった成果については、ヨーロッパ結晶学会(ハンガリー)で招待講演を行った。
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