2004 Fiscal Year Annual Research Report
紫外線照射によって非等方的な強結合状態を持つ微粒子プラズマの生成とダイナミクス
Project/Area Number |
16740317
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
三沢 達也 佐賀大学, 理工学部, 助手 (70346873)
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Keywords | 微粒子プラズマ / 強結合プラズマ / 紫外線 |
Research Abstract |
10〜50Paのガス圧においてリングアンテナにRF電力(13.56MHz)を印加してArプラズマを生成し、外部から投入した帯電微粒子を静電的に捕捉した。真空容器内に微粒子閉じ込め用の負バイアスリング電極、および円板電極を設置し、シース電場中で帯電微粒子を捕捉した。微粒子の観測にはHe-Neレーザーによる微粒子からの散乱光を通常のビデオカメラ及び高速度カメラ(本申請で購入)で撮影することで行った。帯電微粒子群はプラズマ中で鉛直方向の規則的な配列を持った鎖状の構造を持っており、水平方向には鉛直方向の微粒子列の構造を持ったまま緩やかに振動している様子が観測された。微粒子雲は鉛直方向に強い結合状態を持っていると考えられる。また水平方向の微粒子の振動の相関より、鉛直方向に伝播するダスト格子波が存在すると考えられる。現在、高速カメラを用いた微粒子位置の測定によって、微粒子間の振動の相関の解析を進めている。 以上の実験で生成した鎖状微粒子雲に重水素ランプ及び紫外線LEDを用いて紫外線を照射し、紫外線が微粒子挙動に与える影響の観測を試みた。重水素ランプを用いて実験を行ったが、ランプから微粒子雲までの距離が遠いことなどから、顕著な変化が観測されなかった。そこで、円板電極に紫外線LEDを埋め込み、微粒子雲の直下5mmの近距離から紫外線を照射し、微粒子雲の挙動変化の観測を試みた。紫外線LEDからの微量の熱(数十mW)による熱泳動力が原因と考えられる微粒子雲内の回転運動が観測された。これらの結果より、微粒子の近傍から熱泳動力が発生しないような形で紫外線を当てる必要があり、実験装置の変更を行っている。以上の内容をまとめ、現在論文投稿の準備中である。
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